【サンステラ解説】FDM 3Dプリンターのサポート材は“組み合わせ”で決まる

近年、マルチマテリアル対応3Dプリンターの普及により、「サポート材を何で作るか」が造形品質・後処理・コストに大きく影響する時代に突入しています。
特にBambu Lab H2D、X2Dをはじめとする高速・多色対応機の登場により、従来の“同一材料でのサポート”から、“異素材を組み合わせる運用”が主流になりつつあります。
本記事では、サンステラがこれまでの販売・サポート実績(年間3,500台以上)を通じて蓄積してきた知見をもとに、材料別の最適なサポート構成を整理しています。
| メイン材 | サポート材 | 詳細 | メーカーの例 |
|---|---|---|---|
| PLA | Support for PLA | ブレイクアウト | BambuLab |
| PolySupport for PLA | ブレイクアウト | Polymaker | |
| CoPE(主材をサポートに使用) | ブレイクアウト | Polymakerパンクロマ™ | |
| PVA | 水溶 | Kexcelled / Polymaker / BambuLab | |
| BVOH | 水溶 ※PVAより造形安定性が高い | Kexcelled | |
| PETG | support For PLA/PETG | ブレイクアウト | BambuLab |
| PLA(主材をサポートに使用) | ブレイクアウト | ||
| ABS/ASA/PC | HIPS | ブレイクアウト | キャノンエコロジー / INTAMSYS / Tiertime |
| Support for ABS | ブレイクアウト | BambuLab | |
| PA/PA6-CF | PVA | 水溶 | Kexcelled / Polymaker / BambuLab |
| BVOH | 水溶 ※PVAより造形安定性が高い | Kexcelled | |
| PA12-CF | PolySupport for PA | ブレイクアウト | Polymaker |
| PPS/PPS-CF | SP5010 | ブレイクアウト | INTAMSYS |
| HIPS | ブレイクアウト(及び溶剤による溶解) | キャノンエコロジー / INTAMSYS / Tiertime | |
| TPU | PLA | ブレイクアウト | |
| PEEK | SP5000 | ブレイクアウト(溶剤使用) | INTAMSYS |
| SP5080 | ブレイクアウト |
■ 材料別:最適なサポート材の組み合わせ
● PLA(最も選択肢が広い基準材料)
- ブレイクアウト:Support for PLA / PolySupport / CoPE(Polymakerパンクロマ™)
- 水溶性:PVA / BVOH(※BVOHはより安定)
▶ ポイント:
簡易用途はブレイクアウト、複雑形状は水溶性を推奨します。
CoPEは、カラーが複数あるため、サポート材除去の際に目立ちにくく、おすすめです。
コスト的にはブレイクアウトが前提になりますが、水溶性サポートのPVAは造形が難しく、複雑な造形を行いたい場合は高価ながらも安定した造形が可能なBVOHがおすすめです。
● PETG
- Support for PLA/PETGをサポートとして使用(ブレイクアウト)
- PLAをサポートとして使用(ブレイクアウト)
▶ ポイント:
BambuLabのSupport for PLA/PETGが使用可能です。
PLAはPETG・TPUへの接着性が弱く、異材サポートとしての使用に適しています。
● TPU(異材サポートが前提)
- PLAをサポートとして使用(ブレイクアウト)
▶ ポイント:
TPUはPETG・TPUへの接着性が弱く、異材サポートとしての使用に適しています。
一方で、専用サポート材などの品ぞろえは現状ではありません。
● ABS / ASA / PC
- HIPS(ブレイクアウト + 溶剤溶解)
- Support for ABS(同様)
▶ ポイント:
高品質用途では溶解処理が効果的です。HIPSはブレイクアウト用途にも、リモネン溶剤による溶解サポートにも利用可能な材料です。
ただし、リモネンでの溶解には、多量のリモネン溶剤が必要なほか、リモネン溶剤をふき取る必要があり、実施にはハードルがあり弊社では推奨していません。
● PA / PA6-CF
- PVA / BVOH(水溶)
▶ ポイント:
基本は水溶性サポートが主流で、特にBVOHは造形安定性が高いです。
● PA12-CF
- PolySupport for PA(ブレイクアウト)
▶ ポイント:
PAの中でも、PA12には専用のサポート材が用意されています。
● PPS / PPS-CF(スーパーエンプラ)
- SP5010 / HIPS(ブレイクアウト)
- HIPS(溶剤溶解)
▶ ポイント:
PPSの場合、HIPSを使用するのが一般的です。
HIPSはブレイクアウト用途にも、リモネン溶剤による溶解サポートにも利用可能な材料です。
※リモネンでの溶解には、多量のリモネン溶剤が必要なほか、リモネン溶剤をふき取る必要があり、実施にはハードルがあり弊社では推奨していません。
● PEEK(スーパーエンプラ)
- SP5000(ブレイクアウト ※溶剤で柔らかくするとよい)
- SP5080(ブレイクアウト)
▶ ポイント:
高機能材料のため、PEEK用に設計された専用サポートの使用が前提となります。
SP5000は、ブレイクアウト材料になりますが、定着力が高いです。ファインソルブSBという溶剤で柔らかくすることでより除去が簡単に可能です。
SP5080はSP5000よりも取り外しやすいサポート材料です。もともとはPEI1010用に開発されたものです。
主なサポート材のラインナップとリンク
● ブレイクアウト系(剥離タイプ)
- CoPE(パンクロマ™ / Polymaker)
- Support for PLA(BambuLab)
- Support for PLA/PETG(BambuLab)
- PolySupport for PLA(Polymaker)
- HIPS(INTAMSYS)
- SP5010(INTAMSYS)
- SP5080(INTAMSYS)
● 水溶性サポート
- THE K6™ PVAフィラメント(Kexcelled)
- PVA PolyDissolve S1(Polymaker)
- PVA(BambuLab)
-
BVOH(Kexcelled)
※PVAより造形安定性が高い
● 溶剤溶解型サポート
※INTAMSYSフィラメントは今後WEB掲載予定
※順番は弊社の推奨順
■ サンステラの強み:材料×機種×サポートの“最適提案”
サンステラでは、単なる製品販売にとどまらず、
「どの材料に、どのサポートを組み合わせるべきか」という実運用レベルでの提案を行っています。
● 3000SKU以上の取り扱い
Bambu Lab関連製品を中心に、材料・サポート材を含めた豊富な在庫を保有。
メーカー欠品時でも迅速な供給が可能です。
● 独自マニュアルと国内サポート
すべての機種に対して自社作成の日本語マニュアルを付属。
導入後のトラブルや材料選定についても、日本語で迅速に対応します。
■ 実機体験が可能な店舗を2026年夏オープン予定
サンステラでは、2026年夏に東京・東池袋にて
3Dプリンター体験型店舗「サンステラ3Dステーション」を開設予定です。
本店舗では、
- 各種材料とサポート材の実演比較
- マルチマテリアル造形の体験
- ワークショップ・導入相談
などを実施予定です。
“材料の違いが結果にどう影響するか”を、実際に体験いただけます。
■ 今後の展望
FDM 3Dプリンターは、単なる造形機から“材料設計を含めた総合技術”へと進化しています。
サンステラは今後も、材料・機材・運用ノウハウを一体で提供し、ユーザーの成果最大化を支援してまいります。
■ 会社概要
会社名:株式会社サンステラ
所在地:東京都
事業内容:3Dプリンター・材料・関連機器の販売および技術サポート
公式サイト:https://sunstella.co.jp/